ブラキストン線をジープで超えて西比利亜へ

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タミヤ1/35『T72M1』製作記③

最近はうちの倉庫の物量もめっきり減りました。
先日の土曜は7時出勤と早出でしたが、仕事はなんと9時で終わりました。

そこで、仕事が早く終わったので九十九里浜や銚子に行くことにしました。
海を見に行くのです。




ミコヤンの故郷・余市町は眼前は海、後ろは山でした。
ですから海は懐かしく、そして見慣れたものでもあります。

ですが幼少の頃から見てきた海は日本海
よく考えたらミコヤン、太平洋を見たことが無いのです!
(浦安や葛西臨海公園からも海は見えますが、あれは「東京湾」(笑))


九十九里浜を見た後、あんま聞いたこともない路線で銚子に向かいました。



ですが、僕が乗っている電車を、何故だか沿線の人たちが見上げてます。
どうやら僕の電車ではなく、その次にくる列車を待っているようです。








銚子駅のホームに着くと、やはり何かを待っている雰囲気。
お巡りさんまでいます。


ドイツからレーニンでも帰ってくるのかなと思い、僕も待つことにします。
そうしてしばらく待っているとレールの向こうに異様な影(と煙)が‥
























デストロンの輸送参謀・
 アストロトレインである!!」
(ナレーション:正宗一成)






いやあ生で見ちゃいましたよ、SL!









しかし第一印象は‥とにかく「無駄の固まり」!!
音はうるさく、大量の蒸気をまき散らし、
文字通り化石の燃料を食料とし、
巨人が墨で塗りつぶしたかのような黒一色。





なんという無駄で、粗暴で、浪費の塊なのでしょう。
しかも呆気にとられて眺めていたら、いきなり汽笛鳴らしやがった(笑)。

久々に耳がキーンとなりました。
こんな体験、ひ弱な文明人には耐えられません!
しかし、それらは全てSLの魅力なのです。

小奇麗に塗られ、静かな音で5分おきにやってくる、
どれも同じようなおとなしい「電車」とは明らかに違う‥
この真っ黒なおぞましい「生き物」は、ホームに停車している間中、
よだれを流すかのように水を垂れ流し、
周りの人間を警戒するかのように低く唸り続けています。
まさに鋼鉄の獣。
タイムマシンで古代の恐竜を連れ帰ったら、こんな感じではないでしょうか?


「SL」が何の略かも知らない僕ですが、その魅力はよくわかりました。
ある意味「戦車」に通じるものがあるかもしれません。

でもこいつのプラモは作る気しないなあ‥だって音や蒸気が出ないもの(笑)。
ただ、ディテールには惹かれるものがありますねえ‥




まあ今回はまったくの偶然でした。
駅にポスターが貼られていましたが、その日付が全く違うので、
おそらく試験運転か何かだったのでしょう。


この小旅行の顛末は機会があれば、別個の記事として改めて書き直すとします。
ではT72の続きといきましょう。


前回はサフを吹き、さあ塗るぞと気合を入れていたのですが、
よく見ると砲塔側面がつるんとして、妙に寂しい。
このキット、砲塔上面はリアルな鋳造表現がされていますが、
側面はそれが無いのです‥パーツの「抜き」の都合?


ですので塗装直前になって溶きパテを塗り、鋳造表現を追加することにします。






使ったパテがタミヤのホワイトパテだったので妙に柔らかく、
あまりガサガサした感じにならず慌てましたが、
乾いてみればまあそれっぽい感じにはなったのではないでしょうか。
僕的には満足ですね。


それではさっそくバラして塗装していきます。
とりあえず、陰の部分・ゴムの部分としてつや消し黒を吹いていきます。







吹いたらゴムスカート部をマスキングして、基本色を吹いていきます。
色は悩みましたが、Mr.カラーの302番「グリーンFS34092」を使うことに。





‥でも本当はその次の303番「グリーンFS34102」にしたかったのですよ。


前にズベズダ1/100のBTR80装甲車を作った時に参考にしましたが、
トランペッター1/35版でも指定されていたし、Max渡辺氏もお勧めしているし(笑)。





「結局、よくわかっていないみたいだぞ」‥まさにその通り。
このモデグラの特集でも「ズバリロシア戦車の色は?」という疑問に、
モデラー数人がそれぞれ別の色を挙げているのです。
Mig21の機首の色でおなじみ、「薄松葉色」を挙げる人もいました。
(僕はそれはないだろと思うのですが(笑))

これはもう、戦車を作る人の数だけ色が違うのかもしれません。

ちなみに僕がこの色を選んだのはリアルというより、完全にイメージ。
ドラゴンの箱絵など、架空のソビエト戦車はなんとなく青緑な気がするので‥




タミヤの指定ではつまらないことにオリーブドラブ単色ですが、
現実のソビエト戦車も実際そうなのでしょう。
実物の戦車の塗装なんて、カッコよくシャドウ吹きなんてなくて、
案外、缶スプレーでベタッとオリーブドラブを吹いたのが一番近いのかも。

ともあれ、今回の作例のイメージは「ドラゴンの箱絵っぽく」なので、
グリーンFS34092でいくことにします。
あと、グリーンFS34102は後に作る予定のBTR装甲車に使おうかと。
戦車も装甲車もみんな同じ色ってのはつまらないと思ったからなのですが、
よく考えたら装甲車両が同じ色なのは当たり前かも(笑)。


そして吹いたのがこんな感じなのですが‥




‥なんか違う気がする。起動輪塗り忘れてるし(笑)。
これ、薄松葉色じゃん‥こんな色の戦車ってあるかなあ‥。
今ならまだやり直せると思いつつ、だらだらと全部塗りつぶしてしまいました。
うーむ、こうなったらドライブラシでそれっぽく軌道修正するしか‥。





あと履帯をレッドブラウンで塗ってみたり。
ミコヤンは履帯を金属色で塗るのはどうも好きではありません。
ほこりひとつついていない車のタイヤが無いように、履帯は汚れているべき。
このあと履帯はいい感じに汚していきたいと思います。













あと後回しにしていた車体後部のタンクやロープを取り付け、塗装します。
このパーツを取り付けるまで、5年ぐらいかかったかなあ‥(笑)。


そのあと、砲塔のスモークやライトなどに黒を塗っていきます。
ペリスコープも黒で塗るのですが、キューポラと操縦席の凹んだ箇所は、
セガワの偏光シートでも貼ろうかと思っています。

細部の黒を塗った後はウォッシングをしていきます。
あと砲身基部のキャンバス地にドライブラシしたりとか。








ウォッシングが終わったところ。
ロープも塗装して、サビっぽく汚しています。








ハッチの裏側は、悩みましたが白で塗りました。
資料を探したのですが、どうもハッチの裏側がどうなっているのかわからない。
結局白で塗ることにしました。
少しでも明るくするために戦車の内部は白で塗られているのだから、
ハッチ裏も白だろう、というのが僕の考えです。

‥本当はここもディテールアップすべきなのでしょうが、資料もないし
とりあえずこのままで。でも使い込んでいる感じを出すため、
赤系で軽く汚しを入れます。






とりあえず今回はここまで。
なんとかドライブラシで軌道修正していきたいと思います。








ところで、行きつけの模型屋で『タミヤプラモデル製作ガイドブック』が
半額で売られていたので購入しました。





最初は、「タミヤの模型用マテリアルの使い方でもわかればいいや」と
あまり期待もしていなかったこの本ですが、内容が素晴らしい!


例えば先ほどの履帯の塗装も、最初は筆でやろうとしたんですが‥




どうやら筆で塗るのはあまり良くないらしい‥。
確かに、凹凸が多いからといって筆塗りにすると、必要以上に厚塗りになったり
モールドが埋まってしまうかもしれない。
今までのミコヤンの模型の仕上げが汚かったのは、こういうところに
気を使わなかったからかもしれない‥。

このようにこの本、基本的なことがわかりやすく書いてあるのです。
それも具体的にタミヤのキットを実際に使って。
言うなればタミヤキット製作の「お手本」「正解集」と言えるのです。








このようにロープの製作方法まで(笑)。

ハッキリ言ってそこらのプラモデル入門本よりよっぽど読みやすく、
わかりやすいです。
先ほどの履帯の塗り方もそうですが、他にもカーモデルを作る順序、
エアモデルを作る順序、迷彩の塗り方が簡潔に説明されていて読みやすい。

このように作例も載っているし。
こういう陸地とウォーターラインを組み合わせたジオラマ
作りたいんだよなあ‥。




タミヤの姿勢が素晴らしいのは、こうやってファンを「育てる」ところですね。
プラモを買えば現物が実際どのように運用されていたか説明書に記述があったり、
作品の写真を撮ることを奨励したり、このような入門本や資料本を出したり‥。
そしてそうやって育ったファンがまたタミヤの商品を買う訳ですから、
結果、WINWINの関係になるわけです。
‥でも最近はタミヤも新作のペースが落ちてますけどね(笑)。
いや、だからこそ顧客‥ファンを育てる必要があるわけですよ!

‥まあその結果、甘ったれていつまでも親離れ‥ならぬタミヤ離れ出来ない、
僕のような惰弱モデラーが生まれてしまうのかもしれませんが(笑)。
(だってトラペやズベズダのキット買っても資料とかないんだもの!)