ブラキストン線をジープで超えて西比利亜へ

旧ブログ『ツングースカ大爆発』から引っ越しました。


※ガンプラやニコニコ動画などオタクネタは、
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狂気の食堂にて

お盆休みに入りました。
そしてどうにか仕事には慣れてきました。

しかしそれはあくまで上っ面。
落ち着いた自分の居場所を構築できた訳ではありません。
しかし、僕は文句は言えません。
というのは、最近気づいたのがとにかく俺は楽をしたい、面倒が嫌いということ。
特に、人間関係。
構築したくない、逃げたい。面倒。
僕は最初から新部署の面々と仲良くする気が無いのです。
だから、かえってイジめてくれた方が恨んだり、関係を拒む理由が出来る。
困ったちゃんですね~(笑)。

しかし、そんな僕の凍てついた心を多少溶かす(声優のゆきんこさんみたいw)
ある出来事がありました。
「出来事」っていうほどのことじゃないんですが、
仕事を教えてくれる社員のうち、かなり若いNさんに、
出身地や、身の上のことを聞かれたのです。
僕も調子に乗って、ジープを乗り回していることまで話したり…それだけ。

でも彼は尊大ではなく、ニヤニヤ笑いもなく、普通に接してくれたのです。
ただそれだけの行為で僕は、先述の通り柄にも無く顧みて反省してしまいました。

…僕の愛読書死の家の記録の中に、こういう一幕があります。
ある工兵部隊指揮官のG中佐は囚人たちに人気がありました。
囚人たちは「本当の親父はいらねえぐらいだよ!」と口々に誉め称えます。
それはその中佐が偉ぶることもなく、普通に囚人と接していたからです。

「いったいに、人を見下すようなぞんざいさや、気色悪そうな態度は
下級のものをいらいらさせるものだ」

「囚人たちには給与を良くし、設備を良くし、万事法律どおりにしていれば
それで文句はないと考えている者もいる。これもまちがいである

「身分がどうであろうと、どんなに虐げられた人間であろうとも、
誰でも、よしんば本能的にせよ、無意識にせよ、
やはり自分の人格を尊重してもらいたいという気持ちがあるのである


…作中の主人公・アレクサンドル(=ドストエフスキー)の独白です。



この作品が発表された1860年日露戦争よりずっと前。
ロシアではまだ革命が起きる前で、日本は明治維新の直前。
…なのに、150年後の現代でも変わらない部分を的確に表しているような気がします。

いくら実入りの良い一流企業様でも、イジメ殺されちゃあたまりませんもの。
でも囚人も僕も、傲慢で根は怠け者なんだよなあ‥(笑)。
僕は加害者なのでしょうか?被害者なのでしょうか?




そんなことを考えながらジープで館林の整体に通い、
昼は地元で有名らしい手打ちの蕎麦を食べます。
この店、ナマズのてんぷらなんかもあるんですが(この地域の名物らしい)、
白身の魚というより「高級なカマボコ」みたいな味であまり好きでは‥。

ところでこの写真を撮る直前まで、隣の初老のお客と話していました。
僕が自分のジープの真ん前に座ると、
「シブいのに乗ってますね‥!」と話しかけてくれたのです。

これだよコレ!
こーいう反応を待ってたんだよ(笑)!

で、もちろんジープの自虐&古い車談議ですよ。

ミコヤン「乗りづらいし、10万ぐらいの軽の方がマシです!
  でも今の車は個性が無いですよね!みんな同じ顔で…」

初老の客「ですよね‥私は昔、スカイライン乗ってて…
    クーラーとかはついてるんですか?」
ミコヤン「一応あるんですけど窓開けた方が涼しいですネ」

…なんて。
やっぱりわかる人にはわかるんだなあと嬉しくなりました。
(※でもやっぱ10万の軽の方がマシかも、と思える事件が後で起きます)




さて、鬱憤を晴らし、美味しい蕎麦を食べることが出来ましたが、
国道354号沿いのこのお店、実にユニークな店構えなのです。
どうやら本職は漬物工場らしく、周囲には漬物の臭気が漂っています。

そして変わっているのがここのトイレ。
まるで核シェルターのような緑の巨大なタンクの外観ですが‥



※食事中の方(いるのか?)済みません。

なにやら画期的なシステムのトイレのようです。
実際に買っている人はいるのかしら‥。





などと思いをはせつつ、畑の間のあぜ道を通って邑楽図書館へ。
日々、気が滅入ることが多いので仏教の本でも借りようかと。




そしたら月末なので休みでした(笑)。
とりあえず邑楽タワー邑楽町 シンボルタワー "未来MiRAi"だっておww)
の隣に停めて撮影。
なんだかザクの足元のジープみたい。でも高低差があっていいですね。


ってなことがあった二日後、有給を取ったので(一流企業なので取らされるのです)
お盆休みの旅行の買い物にジョイフル本田にでも行こうと画策。

ついでなので、通過ルートの千代田町開拓を兼ね、昼食は
こないだの千代田町グルメマップに載っていた食堂に寄ってみました。




その名もおたふく食堂。
割と人気店の様で、駐車場がいっぱい。




ですが道路の反対側にも駐車場があってひと安心。
これだけ広ければロングタイプのジープ(若葉マーク)でも大丈夫。





しかしこのおたふく、なんか怖くない?!

なんか顔がボコっ、て飛び出しているんですよ!
なんだか諸星大二郎の絵みたい(笑)。

このおたふく、古代から伝わる異世界生物とかじゃないよなあ‥
撮影した後、暖簾をくぐるときにうっかりこのデコの部分に触っちゃって
「うぉッ!」って小声で情けない声を出してしまいました‥。




しかし料理は豪華!
休日ということで奮発してカキフライ定食にしたのですが、おかずが多い!
そして900円とは思えないボリューム!




…ってか、カキってこんなでかいものなの?!

群馬で採れるカキはでかいの?!
 ※幻想郷と群馬に海はありません
まるで荒木先生の『密猟海岸』に出てくるアワビみたい。
とにかくこのお店、大食いチャレンジやってる訳でもないのに
すべてのメニューがこんな調子でデカいのです。
それでいて値段は700円とか800円ですからこっちが心配になります。
文字にするとまさに「お多福」といったところでしょうか‥。




と、すっかり満腹になってジープに戻ると、いつの間にか満車に!
急いで出なければ!

やはり地元の名店なのでしょう。
皮肉なことに、僕は最近は大食いをやめてしまいました。
若い頃だったら常連になっていたなあ~。


さて、このあと悲劇が起きました。
食事のあと、ジョイフル本田で買い物を済ませ、
千代田町セブンイレブンの駐車場で休憩し、さあ帰ろうとすると‥


あれ?!ハンドブレーキが戻らない!!

そう、僕のジープは急に、ハンドブレーキが戻らなくなってしまったのです。
正確に言うと、レバーは戻っても中のワイヤーが動かない。
当然、車輪がロックされているので走ることが出来ません。




…結局、JAFを呼びました。

車体の下に入ってみたりしましたが、素人にはどうしようもありません。
わかったのはワイヤーが切れてないことぐらい。
昔、自分の駄動画で「JAFを呼べばいい」なんてノノワに言わせてましたが、
まさか実際にこんな事態になるとは‥。

まあオンボロだし、最悪いつかはこういう日も来るかもとは思ってましたが、
一か月でこうなるとはねえ‥!

しかし、幸運は二つありました!

ひとつはコンビニの駐車場で異変が起きたこと!
もうひとつは1kmほどの近所に自動車整備工場があったこと!

前にこの付近を自転車で通った時、見つけていたのです。
しかし何が幸いするかわからないですね‥。




♪ドナドナド~ナ~ド~ナ~

館林から駆け付けてくれたレッカーにジープを積み込みます。
車輪はロックされてますが、頼れるドライバーさんが強引に積んでくれました。
動かなければ完全にアウトでしたね‥。




麦わら帽子で撮影してる奴、自重しろ!!

今写真で見るとムカつくわー‥
ともあれ、レッカーの到着前に炎天下の中歩いて整備工場まで足を運び、
事情を話しておきました。
向こうも面食らった様子でしたが、ともかく了承を取り付け、
問題なくレッカーを迎え入れてもらえました。




それからベテラン風の年配の整備員二人が車体に潜り込んで30分ほど…

悪戦苦闘してくれましたが、残念ながら修理は出来ませんでした‥。
ですが、ハンドブレーキの解除は出来たので、走行は可能になりました。
ハンドブレーキが使用不能なので、ギアを入れて停車することになりますが。

この度はうちのポンコツがご迷惑をお掛けしまして…と詫びたところ、
整備工場の社長とおぼしきベテラン整備士は同情を込めた苦笑いで
「‥大事にしてあげてください」とそっと言ってくれました。ありがとう!


さて今回の出費ですが、JAFへ払ったのが14000。整備工場に5000。
JAFを呼んだ割には意外と安く済んだのではと思います。
いやホント、いつかは起きていた故障だった訳ですから、
逆に恵まれた環境で起きたトラブルだったとすら思えます。
これがお盆旅行で、見慣れぬ土地で起きていたら…と思うとゾッとします。

正直、JAFはこれからもお世話になるかもと、今回あえて呼んでみたのですが、
会員になっていれば今回は無料だったそうで、やはり会員になるべきかもですね。

ともあれ、現在もハンドブレーキの修復の目処は立っておりません。
この駄文を書いている今日、近所の旧車に詳しそうな整備工場に持ち込んだのですが、
ブレーキワイヤーが固着しているようなので交換が必要、しかし在庫は無い、との事。
加工して代用するなどは不可能で、純正部品が必要。
一応探してはみるけれど、との事でした。
何でも、ランプひとつがないおかげで廃車になった例もあるそうで…

しかし、普通に乗り回している車が、
たかがワイヤーが無いぐらいで廃車になるなど納得がいきません。
J30系はマニアックな人気があるので互助会や、パーツを自作する人までいます。
きっとワイヤーぐらいなんとかなるはず…と、僕なりに心当たりを探してみるつもりです。