ブラキストン線をジープで超えて西比利亜へ

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‥恥ずかしながら帰って参りました(泣)!

旅行から帰って参りました‥ですが!

‥目的の温泉には辿りつけませんでした。




恥ずかしながらこんな結果になってしまって‥。

情けないやら迷惑かけて申し訳ないやらカッコ悪いやらで、
本当はここに晒したくないのですが、

覚悟も経済力も無しに
分不相応に古い車を持つとこういう目に遭うぞと、

これから古い車を買おうと思っている人のため、
警告、参考のために今回の不始末を書き留めておこうと思います。
笑い飛ばすなり、何かの役に立てば(立つのか?!)幸いです‥。


さて、15日の月曜の午前、ミコヤンは草津温泉に向かい出発しました。
途中、玉村の近くでセルフのスタンドで給油です。





クルマのデザインも相まって、カリフォルニアサマーってな感じですね!(イミフ)

ちなみにミコヤンは初セルフ。
後続の車両がいつ来るかと怯えながらたどたどしくセルフ給油を始めます。





にしてもこの表示、ちょっと恐ろしいです。
スゴイ勢いで金が飛んでいくのがわかるんですから(笑)!
まあリッター130円のガソリンを買っているだけなんですが‥。

ちなみに49Lと少し入ったので、50にしようとすこしずつ足していたら
溢れそうになったので慌ててやめました(はよ終われ!)




時間は十分以上にあったので、ここでちょっと寄り道。
数年前に会社の不始末の尻拭いで行かされた出張先が玉村だったのです。

懐かしいので、その時行った『軍配山古墳』を再訪問。





ちなみにこんな感じで辺り一面小麦畑のなかにポツンと古墳があるのです。
なので、抜け道として通ってきた大型トラックがジャマそうに通過して行ったり‥
申し訳ないとは思いますが、ある意味贅沢ではありますね。


さて、この2時間後に事件は起きました。
玉村から北に向かい、山あいの地域を登っていきます。
山あいとは言え、ホームセンターやらコンビニやらスーパーやら、
普通の街並みでしたが、道はやがて人気のない山岳部に出ます。





まわりはもうこんな感じ。
家などは無く、周囲は苔むした巨木が立ち並ぶ森林地帯。

いわゆる峠道とでも言うんでしょうか。
ひたすら登り道が続くのですが、この頃からジープが不調になってきました。
アクセルを踏んでも、いつもよりパワーが上がらないのです。

まあこのあたりまでなら、おじいちゃんみたいな古い車だからと、
諦めてはいたのですが、やがてこれより勾配がきつくなると、
とうとう山道を登れなくなってしまったのです!





遂には道の真ん中でエンストする事態に!

後続車も呆れて先へ行きます。
ですが、キーを回してもエンジンがかからないのです。
かかっても、すぐに止まってしまいます。

さいわい後続車がいなくなったので、そろりそろりとブレーキを踏みながら下がり
(結構な急斜面なのです)運よく近くにあった平地にジープを止めます。

この写真ではわかりづらいですが、ジープのすぐ隣には渓流が流れています。
しかも、ハンドブレーキを解除するとすぐに下がっていくほどの急斜面。
ハンドブレーキが直ってなかったら、この時詰んでいたかも‥。

オイルの警告灯が点灯していたため、エンジンオイルが過熱したのかなと、
しばらくここでジープを休ませることに。
ですが、その間状態をチェックしましたが、なぜエンジンがかからないのか、
原因がわからないのです。

エンジンオイルは正常、バッテリーも十分、オーバーヒートもしていない‥
一時間半ほど色々調べましたがお手上げ。
観念してレッカーを呼ぶことにしました。

ですがその前に、草津温泉の旅館にキャンセルの電話を入れます。
残念ですが、こうなってはさすがに旅行は不可能でしょう。

ちなみに旅館のホームページでは「当日キャンセルの場合、料金を請求します」
と記載されてましたが、今回は支払いは結構とのことでした。申し訳ありませんっ!

さて、旅行のキャンセルの次はレッカーです。

前回のようにJAFを呼ぶことを思いつきましたが、せっかくの機会なので、
加入しているソニー損保の無料レッカーサービスを呼ぶことにします。

電話で自分の窮状と現在位置を伝え、レッカーを手配してもらいます。
スマホは本当に便利です。ネットにつながるし、電話かけられるし、現在地わかるし。
レッカーは近くの郵便局を目印に来るようなので、
ジープを残し、郵便局まで歩くことにします。








さいわい、前人未到の僻地ではなく、
1kmも歩かないうちに榛名神社の近くに出ました。

近くに見つかった郵便局隣の駐車場でレッカーを待ち、その間、
ジープの持ち込み先として、先日の車検をお願いした修理工場に電話します。
先方も、驚いただろうに快く受け入れて下さり、これでとりあえず一安心。

レッカー到着まで30分ほど時間があり、外は暑いので近くの郷土資料館に入ります。




コレ、昭和30年ごろの電気ストーブだそうで。
どう見てもメーサー殺獣光線とか出しそうですね!

疲れていたのでじっくり見ることは出来ませんでしたが、
榛名山は火山活動によって出来た山なので奇岩が多いとのこと。

縄文時代は意外と山岳周辺には集落が多かったそうですし、
そこらへんの歴史が後の山岳信仰につながったんでしょうか。

こんないつ噴火するかわからないようなところであっても、
鉱物など、色々な利益があったんでしょうね。

そうこうしているうち、スマホが鳴り、駐車場に向かうとレッカーが来ていました。





‥そしてこの体たらくという訳です(涙)。

僕はレッカーに同乗して自宅近くの修理工場まで行くつもりでしたが、
何と、規定により乗ることは出来ないとのこと!!

あとで調べてみたのですが、レッカーはあくまで車を運ぶためのもので、
もし同乗してて事故にでも遭うと責任問題が面倒になるらしいのです。

ちなみにJAFのレッカーは同乗OKだそうで(笑)。
ここらへんはグレーゾーンらしく、保険会社とJAFの立場の違いらしいのですが‥。

まあそういう決まりなら仕方ありません。
レッカーの運転手に後を任せ、トボトボと来た道を戻ります。


   

こんな山の中でどうしろと‥!と内心絶句していたのですが、
観光地に近いこともあり、幸いなことに高崎まで行くバスがあるのです。

一時間に一本ではありますが、これでもうちの実家の近くより本数多いです(笑)。
山の神様のお助けなのか、そもそも山の神様のせいでこうなったのか‥
ともあれ、あと40分ほどで救いの船がやってくることがわかり、ようやく安堵しました。




そうと決まれば逆に40分がヒマでしょうがありません(笑)。

なので、山の神様に家の前で迷惑をかけたお詫びにと、
せっかくなので榛名神社をご参拝することに。
そういえば戦艦榛名の榛名なのかな?





まあ空腹でご参拝も逆に失礼だろうと、参道の茶屋で一息つきます。
参拝客がガラガラで、店もやってんだかやってないんだかな状態ですが、
考えてみれば今日は月曜日。
逆に空いている時間に参拝出来てラッキーだったかもしれません。

まんじゅうを焼いてもらったり、味噌おでんを用意してもらっていると、
その匂いに気づいた家族連れが足を止め、次々に注文を始めました。
自分が宣伝に協力したみたいでなんだか誇らしい気分(笑)。




時間もないので、疲れた足を引きずり、坂の上の本殿に向かいます。
すぐ前を、さっき茶屋に来たアベックがいるので本当は行きたくないのですが!



  

鳥居をくぐると、その先は苔むした大木がそびえる森になっていました。
榛名神社では太古の昔からこの状態だったみたいです。

今までは、鳥居をくぐるとすぐ本殿の神社ばかりでしたから新鮮です。
まるで森そのものが御神体のよう‥いや、これはそれほど間違いではないでしょう。

ただ、敷地が広いので本殿に到達するまで時間がかかりそうです。
もう10分ほどでバスが来てしまうし、そもそも疲労困憊して辿りつけそうにないので、
今回のご参拝は、さっきくぐった鳥居のところで済ませることにしました。


  

さて、さっきの峠のバス停まで歩くのかと思っていたら、
なんと神社近くにバス停がありました。
そりゃ観光地だから当たり前かもしれないけど、間隔狭すぎない?

関係ないけど、この近くにある大鳥居は観光地用の鳥居で、
「榛名歓迎ゲートタワー」というそうで(笑)。
なんだ、でかいのに由緒あるものじゃないんか‥。
これにはきっと山の神様も苦笑いでしょう。





などと思いを馳せていると、バスが到着です!
街中で見ればなんのことはない、ただのラッピングされたバスですが、
こんな右も左もわからない山の中ではお釈迦様の雲の糸も同然!
ありがたく整理券を引き抜き、席に腰を下ろし、ホッと安堵のため息。

でも、乗って気づいたんですがこのバス、ここから高崎まで60カ所止まるんですよ(笑)。
あれ、うちの地元より都会なのかな‥?





榛名神社前のバス停から高崎駅前までが1時間。
そこからさらに1時間かけ、ようやく寮の最寄り駅に到着したらもう真っ暗!
長いような短いような一日でした‥。





いや、このままではおさまりがつきません!

ワイの観光旅行はまだ終わってへんで!
このままおめおめと寮に帰るのも癪なので、近所のガストに乗り込み、
ダグラムの高橋監督の著書を読みながらささやかなディナーを取りました。

‥と、ここまでがトホホなジープ旅行の顛末でした。
情けないやら疲れたやらで何とも言えない徒労感です。
まあ意外と観光できてたのかも‥。

さて、問題はジープの状態です。
エンジンの止まった原因は何か?!

今日、近所の修理工場に行ってきました。
そしたらジープがでん、と置いてあって、普通にエンジンがかかったとのこと。

ですが、昨日の異常が、放っといたら勝手に治るとは思えません。

訊くと、整備の人の話によれば、古いキャブ車は車体が傾くと燃料が送られなくなって、
エンジンの出力が低下することがあるとのこと。
燃料は満タンだった訳ですが、それはタンクの奥の燃料を送るパイプに問題があるのかも。
でもうちらはジープに詳しくないので、どうしましょうか、とのことでした。

そこで思いついたのが、こないだの潰れそうな修理工場のこと。
あそこの人ならばわかるかも‥。
そう思い、さっき会ってきました。

いきさつを老工場長に話したところ、今週は忙しいので(ほ、本当?)
来週以降ヒマになったら見てあげる、とのことでした。
しっかりお金はとるからね、とのことでしたが仕方ない‥。
そこで言われたのが、車検をそこでやってもらってOK出たのに問題起きたんなら、
そこの責任なんだからそこで見てもらうべき、とのこと。

正論ではありますが、そこまで強く言えないし(笑)、
何より、そもそも向こうはジープをよく知らないのです。
そう伝え、取りあえず見てもらうことにしました。

そこの老工場長に言われたことでもあるのですが、
本来車検とは通すために通すんじゃなくて、こういう事故を未然に防ぐよう、
問題点を見つけ出す目的が内包されているはずなんです。
なのに、僕も古い車だから車検が通ればいい、と思って「安く済んだ!」と喜んで‥。

いや、古い車だからこそ、余計に状態を知りたかったんですが、
どうせ古い車だから、誰に見せてもわからないだろうと‥。
一番いいのはちゃんと道具を揃え「誰もわからないなら自分でやる」って試行錯誤するのが
古い車、ジープを扱う覚悟、責任なんだと思うのですが、今の生活では‥。
やはりミコヤン、分不相応なことをしているのかもしれません。

実は今回、レッカーにジープ積むとき、僕はハンドルロックを知らなかったんですよ(笑)。
そんな初心者ではありますが、時間はかかってもなんとかあのジープを自分のものにしたい。
それが今回の失敗の教訓、目標となったようです。
今はマフラーの穴埋め、ハンドブレーキの修理がせいぜいではありますが。

ともあれ、今回の僕の勝手な都合で、
通行車両の皆さんにも迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。