ブラキストン線をジープで超えて西比利亜へ

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GW帰省‥三菱ジープに揺られて余市町へ(中編)

さて、前回は実家に到着したところまででした。

両親とは久しぶりの再会です。

 

積もる話も多いので、ドライブしながらと思っていたのですが、

ママに「ゆっくりしていきなさい」と言われ、僕も2時間のドライブで疲れたので

休んでいくことにしました。

 

今回の帰省は、ドライブ中にママに近況報告と謝罪をするつもりでした。

というのは、就活中の3月に「生活はどうしている?」とメールが来たのですが、

3カ月無職状態と正直には言えず(笑)、「仕事が始まって忙しい」とウソを言っていたのです。

 

情けない話なのでパパの前では言いたくない。ドライブ中にママにだけ話すつもりだったのですが、

休憩しながら「仕事はどうなの」と聞かれ、面倒なのでその場で現状を話してしまいました。ちなみにパパは終始無言(笑)。俺も何も話しません。

 

さて、あまり遅くなると帰りが暗くなるのでそろそろ出かけることに。

時刻は14時頃。余市を出て古平、神恵内(かもえない)、原発で有名な泊を経由して積丹を廻り、

岩内から仁木を通過して帰宅する予定。3時間ぐらいなので、暗くなる前に帰れるはず。

 

[http://:title]

 

 

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ちなみに実家の二階から見た風景はこんな感じ。

まわりは山で、それぞれの農家が土地を所有している様です。

 

 

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これはパパの趣味の盆栽(笑)。

 

パパは若い頃は無趣味のパチンカスでしたが、ママと付き合い始めた頃、

ママのパパ(おじいちゃん)に盆栽を教えてもらい、園芸に目覚めたのだとか。

 

僕が生まれた正月の時(僕の誕生日は1月3日)、パパはパチンコに行ってて不在だったため、

それを機にパパはパチンコを辞めたのだとか‥ざまあみろですね(笑)。

 


 さて、山を下り、積丹の海に向かいます。

余市は目の前が海、後ろが山と言う海の幸と山の幸両方に恵まれた土地柄。

ニシン漁で栄えた一方、リンゴなどの農産物で栄えました。

正確に言うと、採れたニシンはそのまま食べるより、肥料への利用が主だったようです。

せっかく釣った魚を肥料にするなんて勿体ないような気がするけど、

農産物が沢山採れるようになるんだからこの方が正しい選択だったんですね。

 

 

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積丹半島沿いの風景はこんな感じ。

右に海を見ながら、海沿いにトンネルと2車線道路が延々と続きます。

 

北海道、特に積丹半島は内陸が山なので、道路はこの海沿いのルートのみ。

なので、崩落などで道が塞がれると行き来ができなくなります。

しかしそれでいて過疎地ということもあり、この近辺の道は常に崩落の危険があったりします。

 

僕が東京に出た頃の25年前、古平のあたりでトンネルの崩落事故があり、

運悪くバスの乗客が生き埋めになった悲惨な事件がありました。

 

www3.nhk.or.jp

 

救助は難航し、TVの報道で地元のおばちゃんが

「早くしないと(酸欠で)死んでしまうべさ!」

と吐き捨てていたのが印象的でした。

 

そんな話をしながら古平に向かう途中、ママが声を上げました。

見ると、その先には奇岩・ローソクのそそり立つ姿が。

 

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hokkaidofan.com

www.town.yoichi.hokkaido.jp

 

子供の頃から見慣れていた岩ですが、よくよく考えるとこの形を長年保っているのは奇跡かも。

(ちょっとエッチな形ですが)

 

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古平市街に入ります。

子供の頃は古平の入口にあるスキー場に来て帰るだけだったので、

そこから先はあまり知らなかったのですが、ちゃんと海沿いの観光地していて意外でした。

しかしやはり過疎化が進み、水産物や土産物屋以外は古い空き家が目立ちます。

こういう味のある家がどんどん空き家化したり、取り壊されていくのでしょう‥。

 

このあたりで話題が、古平に住んでいたママの友人の友人がクマに襲われて死亡した話、

20年前に僕の弟が自殺したときの話になりました‥暗い話ばっか(笑)。

まあ二人で「人はいつ死ぬかわからないよね」みたいな話をしていました。

 

でも、死体を発見するなんてトラウマものだと思うんですが、

「最初は椅子に座っていると思っていたが返事がなかった」

「動転して警察を先に呼んでしまい、大家に怒られた」など、

具体的なエピソードをママは淡々と話しておりました。

 

で、そんな話で盛り上がっていると道に迷ってしまい、スマホのGPSで脱出。

 「田舎の漁村なんて海沿いに走ってりゃええやろ(鼻ホジ)」なんて

舐めてかかった罰かもしれません‥。

 

このあたりから海沿いから山の方の内陸に入ります。(※写真を撮る機会はありませんでした)

するとなんと、寂れてはいるけど牧場がいくつもあるんですよね。

積丹半島なんて漁村のイメージしかなかったので意外でした。

 

そしてやはり廃墟や廃牧場が多かったので、

古い建物は取り壊されてしまう、忘れられてしまうね、みたいな話をしてました。

(ネガティブな親子(笑))

 

あとなぜだかママが柳美里の話を熱っぽく語っていたのが印象的でした。

普通、人生で悪いことが連続すると絶望してしまうが、その実体験を作品に変換して作家になる人もいるし、人はそれぞれ苦しみを抱えて生きている。

弟もそういうことが出来ればよかったのに、みたいな話をしましたね‥。

 

やがて道は牧場を辿る山道から再び海沿いに。原発のある泊や神恵内方面に出たのです。

 

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神恵内や泊は田舎なのに(失礼!)庁舎がとても立派でした。

街灯のデザインも漁に使うガラス玉をあしらった凝ったもので、しかも50m未満の間隔で続いていて、人は少ないのにまるで観光地のよう。

 

今、この周辺は核廃棄物処分場の誘致を巡って意見が二つに割れているそうですが‥

難しいですね。

子供の頃なら即座に「核のゴミを持ち込むなんて反対!」でしたが。

 

www.asahi.com

 

otaru.gr.jp

 

 

そのまま南下し、岩内方面に出ます。

ここから内陸の仁木方面に向かい、実家の山へ帰るのです。

 

このあたりでママが、昔の実家(海沿い)の向かいのアパートに住んでいた若夫婦と、札幌の動物病院でバッタリ再会した話をしてました(笑)。

 

さて、僕は会社から支給されている宇佐美・出光のビジネスカードを持っています。

なので、岩内にある個人経営の出光で給油しようと思ったのですが、

年配の店員が戻らないので嫌な予感がして見に行ったところ、

案の定、カードが対応してなくて現金払い(6000円)という痛い結果になりました。

 

‥よく潰れたスタンドで見かける古いタイプの給油機 ↓ 

だから、嫌な予感はしてたんだよ~(涙)。

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※この画像は2年前の群馬で撮ったものです。

 

 

まあ田舎だし(失礼)、予想してお金は用意していたんですけどね。

ですが、愛息が苦渋の表情で財布からなけなしの一万円を出そうとするのを察知したママが

「お金出すよ!」と言ってくれました。ありがとママ!

 

 

本来なら、就職したんだから

「お袋、これで親父と旨いものでも食べなよ」

と言って小遣い渡すのが45歳の長男の取るべき行動。逆です!

しかし、情けないが有り難いです。

 

ジープなのにガソリンなんですね!」

なんて、定番の挨拶を年配の店員からいただき、カウンター横のグッピーがギッシリ詰まった小さな水槽と別れてジープに戻ります。

 

でも、確かによく考えたら出回っているガソリンジープってJ37ぐらいなんですよね。あと38?

昔は50系にはJ58、20系ならJ26なんかもあったそうですがもう絶滅してるだろうな‥J46なんてそもそも40系自体が絶滅危惧種だし(笑)。

 

さて、親にタダで食わせてもらったガソリンに舌鼓を打ちながら仁木へ向かいます。

 

すると山あいに桜がちらほら。

北海道は東京と違い、桜が固まって咲いたりしません。河川敷に植えたりしてるところもありますけどね。

桜は自生はしないだろうからおそらく過去にそこに住んでいた人が植えたのでしょう。

そこで僕が、

菅原道真の歌に、『私が居なくなっても毎年花をつけてくれ』

みたいな内容の歌があったよね」(ソース:コミックの『陰陽師』(笑))

って話をしたら、

 

東風(こち)吹(ふ)かば 匂(にほ)ひおこせよ梅(むめ)の花(はな)

あるじなしとて 春(はる)を忘(わす)るな

 

とママがスラスラと歌を諳(そら)んじてくるんですよ!

で、なんで知ってるかと言うとママ方のおばあちゃんがこの歌が大好きで、

年を取ってもスラスラと諳んじたと言うんですよね。(ちなみに二人は仁木出身)

 

note.com

 

おばあちゃんは晩年まで読書を好み、子供の頃に泊まりに行ったときも夜中にずっと本を読んでました‥可愛い孫が遊びに来てるのにですよ(笑)。

晩年、図書館から本を抱えて帰ってきたばあちゃんがため息交じりにママにぼやいた

 

「私は一生のうちにあの図書館の本も読み終わることも出来ないんだねえ‥」

 

は読書家の鏡として我々親子の語り草になっております‥。

 

 

で、2年前に函館から余市まで自転車で走ったときに通った冷水峠を抜け、

無事、仁木と余市に到着。予定通り3時間ほどの小旅行でした。

 

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二年前に撮った写真です。いつかブログに書こうと思って忘れてました。

 

この時は雨が降っていて、寒い中缶コーヒーを買って自分を勇気づけたり、

自販機の下で雨宿りしている虫を見つけたりしてたっけ…。

 

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さて、仁木を抜けて余市に到着しましたが、ママはそのまま余市のスーパーまで行って欲しいとのこと。

僕や夜に遊びに来る弟家族用にジュースやチキンなどを買うためですが、

買い物中に弟から「今札幌から着いた」とのメールが。

 

僕はドライブ後に一人で余市の温泉に行くつもりだったんですが(実家の風呂は小さいので)

弟と甥っ子を誘ったところ一緒に行くとのこと。

ちなみに弟はジムニー乗りで、僕のジープを実際に見るのは初めてです。

 

黒い布テープと赤サビに覆われたボロジムニーに会うのも久しぶりです。

JA11だったかな?ジムニーは詳しくないです(笑)。

 

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弟の家は海のそばにあるパパ方の実家をもらい受けたものなので、潮風をまともに受けるのでなおさらなんですよね。

 

さて、そんな弟の息子の中学一年の甥っ子ですが、僕が昔メカコレのファルコン号を塗装してプレゼントしたところプラモやガンプラに目覚め、今ではジョジョにハマっているとのこと。

 

部屋に入るとショーケースにギッシリとガンプラジョジョフィギュアが押し込められていて、他人の人生をねじまげてしまったことに多少の罪悪感を感じました(笑)。

 

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まあ、僕は「近所に住んでる変なことを教えてくれるお兄さん」に憧れていたので、

本懐ではあるのですが、何だか「弓と矢」で甥っ子をスタンド使いにしてしまったような複雑な気持ちになりましたね‥。

 

さて、そんなガンプラジョジョトークで盛り上がっていたのであたりはもう真っ暗。

さっそく3人でジープに乗り込み、温泉に向かいます。

 

一応ジープJ37は正面に3人座れるのですが、一人が子供じゃないとやっぱ無理ですね(笑)。

とはいえ憧れだった「3人で並んで30系に乗る」ことが出来、(感化されて)ジープ好きになった甥っ子もジープに乗れて楽しそうでした。

 

‥温泉に行った後は眠かったし、時間も遅かったので夕食後はあまり覚えてません(笑)。

 

翌日…は帰る前に弟と甥っ子と再びジープに乗ってフゴッペ洞窟へ。

ママに別れを告げて山を下ります。

 

ゆうべは打ち合わせしてませんでしたが早朝に弟からメールがあってヒマとのこと。

フゴッペに誘いましたが、その前にまず、昔クワガタを取りに行った

「蓬莱山」を探すことになりました。

実は弟は以前、甥っ子を連れて行こうとしたのですが場所が見つからなかったというのです。

 

「そんなわけないだろw

子供の頃、何回も行ったじゃねーかwww」

 

そう言って一笑に付していた僕でしたが、いざ行ってみるとやっぱり見つからない!

一応、ここだろう、という場所はあったのですが、整地と舗装がされてすっかり変わり果てていたのです‥まあ農家があるから他人の山なんですが。

今にして思えば、子供という事で不法侵入も大目に見てもらっていたのかもしれません‥。

 

ただ、この蓬莱山の一件以外にも感じたのは、町が小さくなったということ。

ポンコツとはいえ車で移動しているせいもあるのでしょうが、昔自転車で走り回った町内がとても小さく、そして少しずつ昔の面影が消えているのです。

 

子供の頃に見た光景って一瞬のもので、すぐに消えてしまうんですね。

今回、甥っ子が僕のジープに乗った記憶も、

「そういや俺、ガキの頃オヤジと変な車に乗ったけどアレ何だったんだ?」ってなるのかも(笑)。

 

そんな感傷に浸りながら余市を東西に横断し、フゴッペ洞窟に向かいます。

 

その途中も、弟と余市に昔はたくさんあった玩具屋の話に花が咲きました。

せっかく子供がプラモデルに興味を持つようになったのに、今の余市にはプラモを置いている店が無いのです。

余市は小樽・札幌のベッドタウン化しつつあるから、何とか子供が楽しめる店も頑張って欲しいものです‥。

 

さて、フゴッペ洞窟に到着しました。

 

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古墳時代の出土品もある遺跡らしいですが、壁画などは縄文時代から受け継がれてきた、聖地のような場所だったのかもしれません。

古代人が明らかに何らかの意図を持って彫った絵文字に感動です。

パパが生まれた頃の昭和25年頃、海水浴に来ていた中高生がたまたま見つけた遺跡だそうですが、

もしかしたら誰も知られず風化していった遺跡もたくさんあったのかもしれませんね。

 

ここでTシャツを買うのは決めていたのですが、ネットで買うより安くて助かりました(笑)。スマホにつけようとストラップも買いました。

 

弟と別れて小樽に向かおうとしたところ、忘れ物があるとママからメールが。

引き返して再び別れを告げ、ストラップをお土産にあげました。(ママはいつでも買えるけどね)

 

再び実家を後にしますが、今回は山方面、赤井川方面から小樽に向かうことに。

実家の近くに小さな神社があるので顔を出し、近所のあの老夫婦を頼みますと、お隣さんに留守をお願いするかのような気分で神様に願掛けをします。

代償に何も奉納するものがないので、気持ちとばかり、境内や階段の枯れ枝を脇に寄せておきました。

 

 

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 赤井川やキロロを経由すると遠回りになることに気づいたのですが、引き返すのも癪なので、山あいの道をそのまま進みます。

 

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 途中に道の駅があり、そこだけ人が大盛況。

こんなに一体、どこにいたんだって感じです(笑)。

 

 

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 そしてそのまま毛無峠に向かいます(嫌な名前ですね)。

このあたりはまだ雪が大量に残っていました。

ポンコツジープより早い後続車に怯えながら山道を登ったり下ったり‥

 

 

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そうしていると珍妙な車両が放置されているのを見つけました!

‥といったところで今回はここまでです。

(後半は画像がなく、長いので駆け足になったことをお詫びします‥)